「そのまま」使えるエクササイズ動画集
5/16に有料エクササイズ動画集をリリースしました。
詳細はこちらからご覧ください↓
ここでは、このエクササイズ動画集の作成に至った経緯をお伝えしています。
Part①では、なぜ「動画」なのか?
Part②では、なぜ「有料」なのか?
について書きました。
最終回のPart③では、なぜ「そのまま」使えるようにしたのか?についてご説明します。
そこには、私の月300時間×3年間の現場経験が大きく影響しています。
月300時間×3年間で学んだ現場
私の現場の経験
私のプロフィールページをご覧いただけばわかりますが、2017年4月から2020年3月31日まで埼玉県の私立高校野球部でトレーニングコーチを務めておりました。
野球部寮に住み込みでしたので、朝から就寝までが仕事みたいなものです。寝ている間でも何かあれば当然対応します。あまり大きな声では言えませんが、年間の休みは指で数えられるくらいです☺️
また、2019年4月からの1年間は同校の非常勤講師として体育と保健の授業も持っておりました。ここでは、野球部とは関係のない生徒が担当でした。
朝から登校まで野球部員の世話をして、午前中は教員、午後から夜までは野球部の活動といったサイクルで生活していました。(この3年間での経験や学びについては、近いうちに文章化しようと思っています。)
こういった環境にいたからこそ、教育現場や高校スポーツの現状がよく見えました。
学校の部活動の課題
高校生の多くは学校の部活動に所属しスポーツをしています。
部活動には顧問や部長、副顧問の先生がおり、技術指導、練習メニューや練習試合の段取り、道具の購入の発注・管理、保護者への連絡…と様々な業務をこなしています。
しかし、基本的に教員は授業や担任業務がメインの仕事であり、学校行事など担当部門の作業が割り振られていることもあります。
そこに部活動の指導や事務作業が加われば、相当な仕事量です。
部活動手当も多いとはいえず、お金のためではなく「そのスポーツが好きで、教えたい」という教員自身のモティベーションが前提で成り立っているようなところがあります。
このような状況で、練習メニューを入念に考えたり、競技について勉強したりする時間を取ることは難しく、これまでの経験に基づいた指導をせざるを得ない状況があります。
地域のスポーツクラブの課題
小中学生の中には、学校以外に地域のスポーツクラブに所属して競技をしている人も多いと思います。
そういったスポーツクラブの指導者は、別に仕事をされている方が多いのではないでしょうか。
そうなれば、教員と同じく忙しい中で指導に当たっている場合が多いはずです。
アカデミーのような場所の指導者の方は、しっかりと準備された中で選手の指導に当たっていらっしゃると思いますし、本来はそういった専門の方に見ていただくのがベストかと思います。
しかし、多くの地域スポーツクラブの指導者は、お忙しい中ご指導に当たられている現状があるかと思います。
まとめると、教員も地域スポーツクラブの指導者も忙しいのです。
予算が…
忙しいなら、専門の指導者を雇えばいいじゃないか!!ともいかない現状もあります。
部活動や地域のスポーツクラブで、専門のスキルコーチやトレーニングコーチを雇えるところは予算的に限られています。大きなチームであれば、こういった人を雇えますが、小さなチームでは現実的ではありません。
人を雇うにはそれなりの費用が発生しますので、小さなチームの予算では賄い切れないでしょう。
じゃあ、お前が教えてやれよ!!って思うかも知れませんが、「トレーニングを教える仕事」ですので、それを無償ではできない事情もあります。(当然、無料で手に入る情報よりはるかに有益で効果的な指導をします。)
そういったわけで、専門家を雇いたくてもなかなか難しい現状もあります。
たどり着いた答え
「そのまま」使えるエクササイズ動画
上記のような課題を解決し、一人でも多くのアスリートの目標達成を後押しするにはどうしたらいいか考えた結果、アスリート向けのプログラム化されたエクササイズ動画を作ることを思いつきました。
「そのまま」使えるという表現には、忙しい教員や指導者のことを考え「この動画のこのメニューをやろう」という指示だけで済むようにしたいという意味が込められています。
ベストな方法ではないにしろ、ある程度パッケージ化されたプログラムが現場では便利です。
例えば、
メニューA ・ーーーーー ◯回×◯セット ・ーーーーー ◯回×◯セット ・ーーーーー ◯回×◯セット
みたいなものです。これを何パターンか作ってしまえば、あとは選手に「今日はメニューAやって」という指示だけでOKです。たったこれだけですが、これがあると非常に便利です。
そこで、部位や負荷別にある程度パッケージ化されたプログラムを組んで、動画をその順番に並べました。また、バリエーションを出すために、全身のプログラムも3パターン作成しました。
トレーニングの指導者が作った動画であれば、トレーニングの専門知識がない教員や指導者が忙しい合間に作ったトレーニングプログラムよりも質の高いトレーニングが提供できるはず。
当然、補えない部分もたくさんありますが、過負荷をかけるために負荷別の動画を用意するなどの工夫を施しました。
トレーニング指導者を雇えなくても、トレーニング動画を購入するくらいなら可能なところはあるでしょう。トレーニングの必要性を感じている教員、指導者はたくさんいるはずです。そんな方々のために、こういった動画を作成しました。
現場ではスピードが重要で、「ベスト」よりも実行可能性の高い「ベター」な選択肢が求められます。理想を語っているだけでは役に立てません。
一人でも多くの指導者を救えば、多くのアスリートに恩恵があります。指導者の鏡が選手です。
この動画をきっかけに、多くの指導者がトレーニングのあり方を見直し、アスリートの成長につながる選択をしてほしいと願っております。